シックス
シックス
この好機を見逃すまいと残る五人が躍り掛かる。
しかし、迂闊にも襲い掛かる五名の暗殺者は彼がクリムゾン内でも屈指の戦闘能力を誇る男である事実を忘れていた。
突き出された剣を剣撃で叩き折ると、正面の敵の喉笛にすかさず刃を走らせる。正面の男が地に崩れると、バーンハルトは背後に視線を移す。後ろには、この隙に背後に回りこもうとしていた男がいた。砂を蹴り上げる音を聞き分け、背後に白刃を投擲。
暗殺者は体に金属の物体を突き刺したまま絶命する。
頭上から飛び掛ってきた男の一撃を横っ飛びで回避。すかさず鋼糸で反撃し、彼の体を細断し、剣を両腕ごと鋼糸で絡めとる。絡め取った剣をもって残る二名に対する。彼等が怖気づいたその隙に閃光のごとく接近し、首を刎ねる。剣に付着した血を払い、残る最後の暗殺者に死神の眼光を叩き付ける。だが、
(……な、なんだ?!)
突然体を重い痺れが襲う。
暗殺者であれば毒を刃に塗るのは常識だ。先程右腕に刺さった剣から毒がまわってきたのだ。暗殺者はバーンハルトの変調を悟ったのか、剣を片手に突っ込んでくる。
「……ぐう」
暗殺者の一撃をかろうじて剣で弾くが、それには全く力が感じられない。胴に放たれた剣をかわすと、バーンハルトの体勢が崩れる。砂に足を取られ、明らかな隙が出来た。
(……かくなる上は!)
振り下ろされる剣に対し、バーンハルトは、逆に暗殺者に対して踏み込み、剣の峰で一撃を受けていた。
気力を振り絞り、近距離から肘を男の胴に当てる。蹴りを膝に放ち、関節を砕いて動きを止めた。
「……さあ、誰がお前達の主か……言って貰おうか」
荒い息で問うバーンハルトだが、しかし、男の口から、ごり、と音が洩れる。続いて唇を赤い血液が染めていく。